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名前
hosts_access, hosts_ctl, request_init, request_set - アクセスコントロールライブラリ
書式
#include "tcpd.h"
extern int allow_severity;
extern int deny_severity;
struct request_info *request_init(request, key, value, ..., 0)
struct request_info *request;
struct request_info *request_set(request, key, value, ..., 0)
struct request_info *request;
int hosts_access(request)
struct request_info *request;
int hosts_ctl(daemon, client_name, client_addr, client_user)
char *daemon;
char *client_name;
char *client_addr;
char *client_user;
説明
このドキュメントで説明されるルーチンは libwrap.a ライブラ リの一部である。このライブラリは、特定のルール
に従うアクセスコン トロール書式を提供する。このアクセスコントロールには、ルールに合 致した場合、シェルコ
マンドが実行できるというオプション機能も含ま れている。
request_init() は、クライアントのリクエストについての情報のスト ラクチャを初期化する。request_set()
は、すでに初期化されているリ クエストのストラクチャを更新するためにつかう。どちらの関数も key-value とい
う 変数-値(variable-length) のペアによるリストを得 て、最初の引き数(first argument)を返す。引き数のリスト
はゼロの値 を持つ key で終る。すべての文字列の値を持つ引き数(argument)はコピーされる。 有効な key (そして
対応する値のタイプ) は以下のとおり:
RQ_FILE (int)
リクエストと関連付けされるファイルディスクリプタ
RQ_CLIENT_NAME (char *)
クライアントホスト名
RQ_CLIENT_ADDR (char *)
クライアントのネットワークアドレスの名称(a printable representation)
RQ_CLIENT_SIN (struct sockaddr_in *)
クライアントのネットワークアドレス内部での名称(an internal printable representation)とポート番
号。ストラクチャの中身はコピー されない。
RQ_SERVER_NAME (char *)
エンドポイントにあるサーバのホスト名
RQ_SERVER_ADDR (char *)
エンドポイントにあるサーバアドレスの名称(a printable representation)
RQ_SERVER_SIN (struct sockaddr_in *)
エンドポイントにあるサーバのネットワークアドレス内部での名称(an internal printable
representation)とポート番号。ストラクチャの中 身はコピーされない。
RQ_DAEMON (char *)
サーバホストで動作するデーモンの名前
RQ_USER (char *)
リクエストを発行したユーザのクライアントホストにおける名称
hosts_access() は hosts_access(5) のマニュアルページで 解説されている、アクセスコントロールテーブルを参照
する。 内部のエンドポイント情報が有効であった場合、 要求に応じてホスト名とクライアントユーザ名の探査が行
われ、 リクエスト・ストラクチャをキャッシュする。 もしアクセスが拒否された場合、hosts_access() はゼロを返
す。
hosts_ctl() は request_init() と hosts_access() をさらに使いやす いインターフェースによって包むラッパーで
ある (自動的にクライアン トのユーザ名を探査するには、充分な機能とはいえないけれども)。 クライアントホスト
アドレス、クライアントホスト名、そしてユーザ名 に対する引き数は、有効なデータまたは STRING_UNKNOWN を利用
するこ と。もしアクセスが拒否された場合、hosts_ctl() はゼロを返す。
変数 allow_severity と deny_severity は受諾または拒 否するリクエストをどのように記録するかを指示するもの
である。 これらは呼び出す側によって規定されるべきものであり、アクセスコン トロールテーブルに示されるルー
ルによっては変更される可能性がある。
返り値
問題があれば syslog デーモンを通じて報告される。
関連項目
hosts_access(5), ホストアクセスコントロールファイルの書式 hosts_options(5), ホストアクセスコントロールの
拡張書式
ファイル
/etc/hosts.allow, /etc/hosts.deny, アクセスコントロールテーブル
バグ
hosts_access() は strtok() ライブラリ関数を使っている。 これにより、strtok() をあてにしている他のコードと
干渉が おきるかもしれない。
著者
Wietse Venema (wietse@wzv.win.tue.nl)
Department of Mathematics and Computing Science
Eindhoven University of Technology
Den Dolech 2, P.O. Box 513,
5600 MB Eindhoven, The Netherlands
HOSTS_ACCESS(3)